県全体として住宅地、商業地とも下落率はさらに縮小し、博多駅前地区の一部では地価が上昇しました。
 平成23年地価公示(平成23年1月1日時点の価格)結果が発表されました。
 福岡県全体では住宅地で15年連続の下落、商業地で3年連続の下落でしたが、下落率は工業地も含めて縮小傾向にあります。

 福岡市の住宅地は戸建て住宅やマンションの需要が回復傾向にあり、特に早良区、城南区、西区の市西部においては底堅い動きが見られました。
福岡市▲3.3%→▲1.9%でした。
 北九州市は都心部は特に供給過剰傾向にあり、全体として平均3%強の下落率を示しています。
北九州市▲3.8→▲3.2%でした。
 久留米市は全体としては縮小傾向であるが、旧郡部や郊外を中心にやや拡大しているところが見受けられます。マンションの供給が多く、販売は苦戦していますが、JR久留米駅前の35階建て高層マンションは完売しました。全体としては弱含みであります。
久留米市▲3.3%→▲2.8%でした。

JR久留米駅前

 筑紫野市、大野城市、春日市、太宰府市、那珂川町の旧筑紫郡の市町は下落率が概ね1%程度で、福岡市のベッドタウンとして需要は回復傾向にあります。

太宰府天満宮の飛び梅

 その他大牟田市が▲5.0%→▲3.8%、飯塚市▲3.4%→▲3.4%、柳川市▲4.0%→▲3.7%
行橋市▲2.9%→▲2.4%、宗像市▲5.2%→▲4.1%、朝倉市▲6.6%→▲6.1%でした。

 商業地は平成20年に+1.4%と16年ぶりに上昇しましたが、その後3年連続の下落でした。
福岡市が▲10.1%→▲3.9%と下落率が大きく縮小しました。天神地区で平成22年3月に福岡パルコの開業、平成23年3月の九州新幹線の全面開業及び新博多駅ビル開業期待により、都心部は横ばい地点が4地点、地価上昇地点が6地点ありました。

天神警固公園のチューリップ

 北九州市は先行き不透明感から依然として下落傾向であり、現時点で格別の要因はなく停滞感があります。北九州市は▲4.8%→▲4.1%でした。

小倉リバーウォーク

 久留米市は▲7.5%→▲6.0%と依然として下落率は大きく、中心部のアーケード街の空き店舗の多さや、日吉町の歓楽街の衰退が著しいです。
 その他大牟田市が▲6.9%→▲4.9%、飯塚市▲6.7%→▲6.4%、柳川市▲6.2%→▲6.5%
行橋市▲5.8%→▲4.6%、宗像市▲2.7%→▲2.5%、朝倉市▲6.3%→▲6.2%でした。

柳川市の川下り

 工業地は景気減速による企業収益の悪化や設備投資意欲の減退、急激な円高進行等から相変わらず下落傾向にありますが、景気回復期待からやや縮小傾向にあります。
準工業地▲4.5%→▲3.5%、工業地域▲3.8%→▲3.0%でした。

大牟田市岬町のイオン(石炭産業科学館より)

*地価公示結果による最高価格地
住宅地:福岡中央-2  大濠1丁目            494,000円/㎡(±0%)
商業地:福岡中央5-9 天神1丁目           5,780,000円/㎡(±0%)

*地価公示結果による上昇率1位
住宅地:福岡中央-2  大濠1丁目             494,000円/㎡(±0%)
商業地:博多5-1    博多駅前3丁目  2,190,000円/㎡(+2.3%)

*地価公示結果による下落率1位
住宅地:大牟田-22   大牟田市大字歴木  22,700円/㎡(▲7.7%)
商業地:久留米5-6   久留米市日吉町  194,000円/㎡(▲10.2%)

*現在の地価動向ですが、東日本大震災の影響により、総じて取引は様子見傾向になっているようです。
また建設資材や車の部品等が品薄状態で、生産活動が止まっているあるいは大きく減少している所も多く、地価に対する影響は看過できないようです。九州新幹線の全面開通や新博多駅ビルの開業効果及び西区橋本の木の葉モールの開業や第二キャナルの計画等の発展要因が多い福岡ですので、大震災の影響が限定的なのかどうか注視していきたいです。