商業地の急激な地価下落が顕著になりました。平成21年度地価調査結果が18日発表になりました。

 福岡県全体では、全用途で下落し、下落率は拡大しました。住宅地は12年連続の下落、商業地は2年連続の下落です。

 天神地区周辺では全国でワースト1位と2位の下落率を記録しました。だからといって福岡のポテンシャルが下がったわけではありません。

 2011年の新幹線の全線開通や新博多駅の開業、博多郵便局の再開発。天神地区では来春のパルコの開業。西通りでは、大手M不動産会社が来秋有名ブランドを誘致して商業ビルを建設予定。岩田屋本館隣接地には大手N都市開発が商業ビルを建設予定であり、今後福岡の再開発は目白押しです。

 今回の地価急落の前の地価高騰の特徴は、前回のバブルの時に比べて期間が短く、山もやや低かったけれど、地価が上がる角度は今回の方が急だったことが特徴的です。

 当初は不動産証券化の手法を駆使して堅実に行われていた不動産投資が、ファンドマネーの大量の流入で、徐々に転売目的になり始め、最後は建てる前から買い手が決まっている大規模な開発型の物件が多く、長期にわたる開発期間中にはじけたものですから、痛手も大きかったのです。

 リーマンショック以降金融不安から急激に地価が下がりました。それは不動産ファンドの投資が細り、銀行の融資姿勢が慎重になり、資金がつかないことから下がりましたが、今後は大量の新規供給されたビルの実際の賃料下落がどこまで続き、空室率がどこで持ち直すかが今後の商業地の地価を左右するでしょう。

 地価及び賃料の大幅な下落は新規に出店される企業には大きなチャンスです。街に新しい種類の店舗が増え、それが都市の魅力に繋がり、さらに集客力が増せば、その時地価にも動きが出るのでしょう。

*基準地・商業地・高価格順位ベスト3
 1位  福岡中央5-15 天神1-12-3 天神木村屋ビル 3,500,000円/㎡(-26.3%)
 2位  福岡中央5-3  天神2-5-17 プラッツ天神    3,210,000円/㎡(-31.0%)
 3位  福岡中央5-2  渡辺通4-9-18 福酒ビル     2,310,000円/㎡(-28.3%)

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