県全体として下落幅が小さくなりました。特に福岡市内の商業地の下落幅が大きく縮小しました。
 県全体としては全用途で下落しましたが、下落幅はやや縮小しました。住宅地は13年連続の下落で、商業地は3年連続の下落でした。

 福岡市中央区博多区は昨年20%から30%の下落でしたが、今回は7%の下落で落ち着きを少し取り戻しています。特に今年の入ってからは都心の一等地は概ね横ばい傾向です。最近は都心の商業ビルの一棟の売買も行われおり、地価の底入れ感が出てきております。また、博多駅新ビルの開業と九州新幹線の全面開業に期待が寄せられています。但し、オフィース空室率はなお高く、収益性の回復が急務で、一等地以外はまだまだでしょうか。

下の写真は、天神アクロス福岡(元福岡県庁跡)付近 右側は西鉄イン福岡(元東急ホテル)

水上公園 背景に中洲のビル(城山ホテル跡)
福岡銀行本店北側昭和通り沿い

 北九州市、久留米市、大牟田市、飯塚市の住宅地は概ね3%から4%の下落で、商業地は5%から7%の下落でした。福岡市以外は大きな変動はなく、昨年と概ね同様でありました。

 工業地は昨年と概ね同様の▲4.6%。最近の円高で工場の海外移転が加速すると、工業地の売れ行きに大きな影響を与えると思われます。
 
 今後も県全体としては、緩やかな下落傾向が続くものと予測されます。
 
 異なった動きをするのが、福岡市中央区と博多区の高度商業地(天神博多駅の地価)で、九州新幹線や博多駅の再開発関連、第2キャナルの開発、天神への新規店舗出店の加速等により、横ばい傾向一部上昇傾向が見受けられる可能性があります。

天神:三越付近
天神:博多大丸付近

 住宅地では中央区と早良区のマンション適地は需給逼迫により横ばい傾向であるが、高値取引も見受けられます。また、2,000万円以下の中古戸建てや中古マンションがよく売れています。
 
 
*県内の最高価格地    住宅地  福岡早良-3   早良区百道浜4丁目  255,000円/㎡
             商業地  福岡中央5-15 中央区天神1丁目  3,350,000円/㎡

*県内の最高下落率地点 住宅地  筑前-4 筑前町当初字宮ノ前 17,900円/㎡▲8.2%
            商業地  久留米5-1 久留米市東町 3,350,000円/㎡▲11.9%

*地価変動横ばい地点  八幡西-8 八幡西区星ヶ丘3丁目 42,000円/㎡  ±0
 (上昇地点はない)  福岡南-9 南区筑紫丘1丁目  130,000円/㎡     ±0

 なお、林地は平均で昨年が▲5.4%、今年が▲4.6%でした。

 今後は、ゼロ金利政策で不動産や株式への資金の流入が近い将来期待されますので、投資環境が整いつつある状況です。