福岡ビジネス地区のオフィースの空室面積は、2009年6月時点約101,000坪で、2003年12月時点は約 71,000坪でした。
 国土交通省は主要都市の商業地、住宅地で四半期(3ヶ月)ごとに実施する地価動向報告(平成21年4月1日〜平成21年7月1日)を発表しました。

 それによりますと商業地では、天神地区が3〜6%下落で前期の6〜9%下落よりマイナス幅が縮小し、大名・赤坂地区は前期と同じ6〜9%下落でした。また住宅地では、大濠地区が前期と同じ3〜6%下落でした。

天神中央公園より天神ビジネス街方面を撮影

 天神地区のみならず、高度・準高度商業地に共通しているのは、
①事務所ビルの大量供給による空室率の拡大
②景気悪化により購買力が低下し、テナントの収益力が低下(賃料負担力が低下)
③それに伴う事務所・店舗賃料の下落
④したがって不動産の収益力の低下(リスク)による投資家の要求利回りの上昇
⑤さらに金融機関の融資姿勢が慎重(自己資金豊富な企業等に限定)等のため、地価は下落傾向が続いています。


 大濠地区の取引については低迷したままです。所得、雇用環境が厳しいため一般的には住宅の買い控えが見受けられます。一等地であるため、賃料の大幅な下落はなく、マンション市場について回復期待感もあり、デベロッパーの購入意欲はあるものと考えますが、資金需要の観点から土地の買い手は資金力の豊富な大手デベロッパーに限られるため、地価は下落傾向が続いています。


 福岡ビジネス地区のオフィースの空室面積は三鬼商事オフィースレポートによると2009年6月時点約101,000坪で、2003年12月時点は約 71,000坪でした。今後新規供給は大幅に縮小するものの、はたして借換え需要以外の救世主的な新規需要者は現れるのでしょうか?早期の景気回復が望まれます。

天神橋付近から博多タワー方面を撮影
中央区役所前から赤坂門方面を撮影
公園通橋から天神橋方面を撮影