天神地区・博多駅周辺・大濠地区は上昇、大名赤坂地区は横ばい傾向でした。

 国土交通省は、主要都市の商業地及び住宅地の、四半期(3ヶ月)ごとに実施する地価動向報告(平成26年1月1日~平成26年4月1日の3ヶ月間)を発表しました。
 それによりますと、天神地区・博多駅周辺及び大濠地区が0~3%の上昇、大名赤坂地区が横ばい傾向した。前回調査期間(平成25年10月1日~平成26年1月1日)と同様の傾向が続いています。

 博多駅周辺は、前回に引き続き上昇傾向で、①良好な資金調達環境にある。②足下の景気は回復傾向にある。③新規供給が極端に少ない状況である。④2016年度完成予定の博多駅中央街の再開発計画(JR九州・郵政)が進展中で、当該エリアに対する期待感は高まっている。⑤上場企業の支店・支社需要が徐々に増加している。⑥売却物件が少なくビル需要は旺盛である。⑦ホテル需要が旺盛である。⑧博多駅前地区の天神地区に対する割安感より地価の上昇余地がある。

 天神地区の商況は、徐々に回復しています。①天神地区の商況は立ち直っている。②秋竣工の大規模商業施設の完成に伴う集客力に対する期待感がある。③大型オフィスビルの売買が一巡し、品薄状態が続いている。④良好な資金調達環境にあり大量の投資マネーが福岡都心一等地を向いている。⑤オフィス賃料や路面店舗の賃料は概ね横ばい傾向であるが、天神西通りの店舗賃料は上昇傾向にある。⑥投資は活発化しており、取引利回りは低下傾向である。

 渡辺通り沿いの九州電力本社付近、大名赤坂地区 ①天神地区博多駅前地区での投資物件の品薄感による波及効果あり。②マンション適地としての水準まで地価が下落してきた。②裁判所の移転予定等でオフィス需要増加の可能性は低いが、空室率は低下傾向である。④住居系の用途を中心に需要が高い。⑤店舗市況については回復傾向にある。⑥地場大手鉄道会社がエリア内でマンション用地として土地を概ね適正価格で取得。⑦JTビルが空きビルになっておりその動向に注目。

大名、舞鶴の昭和通り沿い
薬院新川沿い

 大濠地区は、①マンション適地への需要は引き続き大きい。②建築費の高騰の影響があるものの需要は賃貸売買双方とも根強い。③分譲マンションの需要者は富裕層がメインである。④投資採算性からすると、地価上昇余地は限られている。⑤マンションの賃貸需要は旺盛であるがそもそも設定賃料が高く賃料は概ね横ばい。⑥中古マンション価格は上昇傾向にある。
以上が1月1日から4月1日時点までの概要です。
 引き続き不動産需要は旺盛であり、供給が少ない状況にあり、また低金利の投資マネーが大量にあり、全体の相場を支えています。そして、地価上昇エリアはさらに拡大中です。
 西新・大橋・香椎副都心や鉄道駅至近の好立地物件には需要が旺盛で高値取引が見受けられます。ネットの取引利回りはやや低下傾向にあり、空前の低金利とマネーの供給量の増大により、引き続き投資意欲は旺盛です。不動産会社のみならず商社や外資など投資家層は厚みを増すばかりです。①超低金利と良好な資金調達環境②企業収益の上昇や株高や個人の所得環境の良化③オリンピック関連による投資波及効果や投資に対する安心感が支えているようです。
 一方で、投資物件はかなり利回りが低下しており、買えないあせりや過剰な取得競争で高値取引(ばばづかみがないよう)も多く見受けられ、第三者の目を入れる必要性がありそうな時期に来ていると思います。

アクロス福岡付近 朝顔 きれいですね!